2011年ラグビーW杯第10日、現地21日のプールマッチ(プールA)トンガ王国対日本国戦をTV観戦。
TGAは中6日で第3戦、勝点1。JPNは中4日で第3戦、勝点0。
曇、風速20km/h、気温予想は最低9℃最高12℃。現地時刻19:30キックオフ。
出場選手は下記のとおり。
TGA;1 トンガッウイハ/2 ルトゥイ(C)/3 フィリセ/4 ロコトゥイ/5 ヘヘア/6 カラマフォニ/7 ヴァイオモウンガ/8 マッアフー/9 モア/10 モラス/11 フファンガ/12 ファタフェヒ/13 ピウタウ/14 ヴァイニコロ/15 リロ/16 マッアシ/17 タウマロロ/18 アウリカ/19 トゥイネアウ/20 ヴァハフォラウ/21 フィシラウ/22 マッイレイ
JPN;1 平島/2 堀江/3 畠山/4 トンプソン/5 北川俊/6 谷口/7 リーチ/8 菊谷(C)/9 田中/10 アレジ/11 小野澤/12 ニコラス/13 トゥプアイレイ/14 遠藤/15 ウェブ/16 青木/17 藤田/18 大野/19 バツベイ/20 日和佐/21 宇薄/22 ウィリアムス
TGAは前戦とは先発を9人変更。主将のマカは脇腹を傷め欠場(Jスポ解説の小林深緑郎さんが「裏の理由」の話をしてましたが未確認情報をTVで話すのはどうなんだろうか)。猶、ヴァイニコロは'07/'08シーズンに、此試合の会場であるファンガレイノースランドイヴェントセンターをホームとするノースランドでプレイした。
JPNは、メンバーを落した前戦の先発とは10人異なるが、「一軍」で臨んだ初戦とは戦線離脱者(ホラニ、平)を除けば同じ。
両国のテストマッチは最近5試合(2007年〜)はJPNが総て勝利。但し2007年・2010年は3点差、2009年は2点差、直近の2011年7月9日は1点差。加えて海外でプレイする選手の多いTGAはRWC以外でベストメンバーを組むことはあまりなく、7月の対戦と同じ先発メンバーは、JPN11人に対してTGAは5人である。
シピタウのリードはルトゥイ。
JPNが風上を取り、TGAのキックオフで試合開始。モラスのキックが22mを10m弱越えた地点に落ちる頃にはTGAが殺到。JPNは自陣22m内でオープンへ繋ぐが、菊谷がパスをファンブル。其処へヴァイオモウンガがハードヒット、ピウタウが零れ球を拾ってターンオーバー。ポイントをずらしてTGAが前へ。JPNがノットロールアゥェイを採られる。モアが速攻、ゴールライン寸前で止められる。パイルアップでファーストスクラム(TGAボール5mスクラム)。FW総体重は、TGA912kg、JPN863kg。TGAが8-9、モアがスクラムサイドを衝く。JPNがぎりぎりで止め、ゴールラインを挟んで揉合う。畠山がラックオフサイド、TGAはスクラムを選択。左に圧し、マッアフーが持って離れインゴールへ突進。小野澤と菊谷が止めるが球はゴールラインを越えた。TMO。小野澤が地面と球のあいだに己の躰を入れており、ノートライ。またもTGAボール5mスクラム。捲れてスクラムアゲイン。今度はTGAが右へ圧す。球出しが遅れて中央突破は成らなかったがオープンへ出す。JPNが止める。笛。菊谷が、タックルしたあと手を離さずにジャッカルにいったとの判定。またまたTGAボール5mスクラム。また捲れ上がりアゲイン。TGAが回し、前半7分、マッアフーがサイドアタック。田中が脚に絡み、アレジが前から止めにかかり、リーチがサポート、ニコラスも駆けつけたが、倒されてもマッアフーの球を持った腕は自由だった。TMOの判定の間、国際映像でマッアフーが球をゴールライン上に置くのが映る。判定はT。右15mの左から狙ったモラスのCは僅かに右へ逸れた。TGA 5-0 JPN。
12分、遠藤の約20mゲインなどで初めてTGA陣22m内に入り、ルトゥイのノットロールアゥェイでJPNボール5mラインアウト。キープしてモールを組む。崩されかけたがインゴールへ雪崩れこむ。タッチダウンはまだ。再びFWが雪崩を打つ。14分、TMOに。TV桟敷のスローモーションではダブルムーブメントにも見え、現地放送ではだめだろうと話していたが、畠山のTが認められる。左5mの左からのアレジのCは僅かに左に逸れた。TGA 5-5 JPN。JPNの「男子RWCでTを挙げた右PR」はこれで3人。これはオーストラリアとオールブラックスに次ぐ記録、なんだそうな。
リスタートキックはJPN陣左中間22m上に落ちる。キャッチはJPNもTGA FWが殺到。ラックから球が転がり出る。ヘヘアが拾って外のフィリセへ。JPN FWはラックに集まり、ショートサイドのBKは遠藤のみ。フィリセが遠藤を惹きつけて外のロコトゥイにパスし、15分、左隅へT。難しい角度からのCをモラスが右ポストに当てて決める。TGA 12-5 JPN。
18分、JPNがTGA陣22m内に攻めこんでいたが、アレジのオフロードパスを遠藤がノッコン、ルースボールを拾ったピウタウが自陣5m附近から敵陣22mの手前迄走る。しかしリーチが巧く走路を潰すように追いかけてタックル、ピウタウが抛上げた球を遠藤がキャッチ。
JPNが11フェイズ攻撃などTGA陣で攻続けていたが得点には繋がらず、25分、畠山のホィールでハーフゥェイ上のTGAボールラインアウト。TGAがキープしてオープンへ展開。アレジのファタフェヒへのタックルが決る。ファタフェヒが投上げた球を畠山が叩き、零れ球をニコラスが掬ってトゥプアイレイへパス。JPNが繋ぎ、ハーフゥェイとTGA陣10mのあいだでニコラスがラインブレイク。22mを越えて倒されるもオフロードパス、平島が受け、FWで圧しこんで、ゴールラインへ10m弱の中央右でポイント。田中が右へ大きくパスアウト。次いで二人飛ばしパス。ウェブが内のリーチへ返す。26分、3人のディフェンスをぶち破って右隅にT。アレジのCは右に外れた。TGA 12-10 JPN。今大会で、試合の最初の4Tを総てFWが挙げたのは初めて、とRWC2011公式サイト‘Rugby Tracker’says、なんですけども、現代ラグビーではすごーく珍しいことでもないんじゃないのかな。
リスタートキックはまたもJPNが捕った直後にTGAが殺到。トンプソンがラックオフサイドを採られ、30分、モラスが22m・左15m附近からPGを入れる。TGA 15-10 JPN。TGAは男子RWC通算300得点達成。15チームめ。
31分、TGAの得点機にアレジがオフサイドの位置でインターセプト。主審のデイヴ・ピアスンさんがイエローカードを掲げる。SOの代役はウェブ。アレジは、RWC1999のジェイミー・ジョセフに続くJPN二人めの、RWCでシンビンを喰らった選手に。
32分、アレジのオフサイドで得たPGをモラスが22mの直ぐ手前・左5mと左15mのあいだからきれいに決める。TGA 18-10 JPN。
40分、ファタフェヒのハンズインラックで得たPGをウェブが22mの手前・中央左から入れる。TGA 18-13 JPN。JPNは男子RWC通算400得点達成。14チームめ。
41分、デイヴ・ピアスンさんの‘Last play’の声がかかったあとに、ウェブが自陣22m内からハイパント。モラスがカウンターアタックでなく蹴返してくれたので、ウェブがフェアキャッチして今度はタッチに蹴出し、前半終了。TGA 18-13 JPN。
猶、TGAの過去の男子RWC4勝中3試合は前半終了時点でリードしていたんだとか。
後半開始。アレジは戻っている。トンガッウイハ>タウマロロ、フィリセ>アウリカ。
6分、9フェイズを重ねたTGAがオープンへ展開、逆サイドでシザーズした処でトゥプアイレイがフファンガを倒し、オフロードパスを受けたヴァイオモウンガもニコラスが倒してノッコンを誘う。JPNがマイボスクラムをキープし自陣22m内で繋ぐ。田中がハイパント。小野澤が走るもキャッチしたのはヴァイニコロ。外へのフェイクパスでギャップを抜き、北川俊を躱し、アレジを振払い、タッチライン沿いを疾走。ゴールラインへ残り約7mでリーチに倒され内へパス。これを小野澤がインターセプト、インゴールからタッチに蹴出した。
8分、ルトゥイ>マッアシ。
10分、JPNのラックオフサイドで得たPGをモラスが10mと22mのあいだ・右15mの右からスロットイン。TGA 21-13 JPN。
12分、谷口>バツベイ、田中>日和佐。
13分、自陣22m内でマイボラインアウトをキープして繋ぐJPN。TGAのプレッシャーが速く蹴れないうちに、トゥプアイレイからのパスを遠藤が弾きタッチに出してしまう。JPN陣22m内のTGAボールラインアウトをスティールしたJPN、やっぱり繋ぐ。よーやっとアレジがキック、でもタッチキックでなくハイパント。此処もキャッチしたのはヴァイニコロ。TGAが継続。JPN陣10mでモラスがちょこんと裏へ落すキック。JPNがワンタッチ、キックの軌道が変るが、弾んだ球はモラスが捕る。パスも複数のJPN選手に当ってモラスの腕に戻り、外へ展開。ディフェンスラインが乱れていたこともあり、ラフなマウントパスがヴァイニコロに届く。ステップで二人躱し、アレジを引摺って、14分、T。右5mと右15mのあいだからモラスがポストの真ん中を通してCを決める。TGA 28-13 JPN。
17分、北川俊>大野。
21分、TGAが同じ反則を繰返したとして、オフサイドのアウリカがシンビン。アレジはタッチに蹴出す。JPNボール5mラインアウト。JPNが確保しモールを組んで其儘インゴールへ。TMO。グラウンディングされておらずノートライ。スクラムとなる為、23分、フィリセが戻りヴァイオモウンガが退る。左中間でJPNボール5mスクラム。早めに日和佐がオープンへパスアウト。アレジが内へ走り乍ら外へ走ってくるトゥプアイレイに絶妙なタイミングでパス。広いギャップを抜け、ゴールライン目前で倒されたものの、23分、巧くタッチダウン。左15mの右というイージーな位置からアレジがCを失敗。TGA 28-18 JPN。トゥプアイレイは19テストマッチで21T、試合数よりT数のほうが多い。
25分、ハイパントをリフトされてキャッチするトンプソンにフファンガがタックル。地面に落ちたトンプソンは頭を打ったようだったがプレイ続行。フファンガのほうは足を傷めたらしいが此場は退場しなかった。
25分、ヘヘア>トゥイネアウ。
28分、JPNのスクラムコラプシングで得たPGをモラスが10mと22mのあいだ・左15m辺りから入れる。TGA 31-18 JPN。
28分、フファンガ>マッイレイ。畠山>藤田。
30分、TGAのオフサイドでJPNボール5mラインアウト。JPNがキープして堀江がゴールライン目前迄迫るも孤立し圧戻される。それでも球は継続してTGA陣22m内でフェイズを重ねる。アレジのキックパスがバーに当ってほぼ蹴った位置へ撥返り、TGAがキャッチ、此処でアドバンテージを観ていたTGAのオフサイドが採られる。アレジがタッチキック、JPNボール5mラインアウト。31分、アウリカのシンビンが明ける。フィリセ>ヴァハフォラウ。マッアフーがラインアウトをスティールした処でノット1m、再びJPNボールでラインアウト。国際映像がバックスタンドの直ぐ外に火柱が揚るのを映すが試合は続行(試合終了の頃には鎮火したそうです)。今度はJPNがラインアウトを確保しモールを組む。TGAが圧し、JPNが圧返す。球が地面に落ちる。日和佐が長めのパスアウト、アレジのロングパスを斜に走りこんで受けたトゥプアイレイが掴まる。ターンオーバー、マッアフーのタッチキックでJPN陣22m辺り迄戻された。
35分、TGAのパスがデイヴ・ピアスンさんに当るアクシデント。
35分、モア>フィシラウ。
38分、モラスのオフサイドでJPNボール5mラインアウト。オープンに回してターンオーバーされたが、ロコトゥイのオフサイドのアドバンテージ中だった。39分、ロコトゥイはシンビン(TGAの男子RWC通算イエローカードは13枚となり、前日更新されたイタリア共和国の最多記録に並んだ)。またもJPNボール5mラインアウト。菊谷がファンブルしかけ乍らもキープ。やや時間がかかって日和佐がパスアウト。リーチ-アレジ-ニコラスと渡って鋭いゴロパン。トゥプアイレイが追う。が、インゴール奥で押えたのはリロ、ドロップアウト。
40分、線審のアピールでタウマロロが危険なタックルを採られる。JPNはアレジのタップキックから攻める。が、菊谷がノットリリースザボール。41分、ノーサイド。
最終スコアはTGA 31(3T2C4PG)-(3T1PG)18 JPN。試合終了時点の勝点はTGA 5-0 JPN。
公式スタッツは下記のとおり(以下TGA-JPN)。
スクラム獲得/喪失=9/2-7/1
ラインアウト獲得/喪失=3/3-14/2
ラック・モールでのターンオーバー=9-0
タックル(ミスタックル)=112(15)-62(11)
クリーンなラインブレイク=1-1
ボール支配率=44%-56%
地域獲得率=48%-52%
敵陣22m内でのプレイタイム=11分35秒-9分10秒
エラー(ハンドリング/キック/リスタート)=13(13/0/0)-14(14/0/0)
キック選択(インプレイ)=5-0
犯した反則=15-12
交代=10-4
イエローカード=2-1
ブレイクダウン=57-101
猶、マンオブザマッチはリーチでした。
JPN HCジョン・カーワンがJPNにとってRWC決勝戦に値すると位置付けた試合。其割にはTV桟敷に熱さは伝わらなかった。ノーサイドのあと立上がれなかったリーチとか、個々には感じなくもなかったけど。W杯サイコー!とラグビー好きが思うのは、テストマッチの最高峰だからなんだよね。「敗けても命迄は奪られないんだからリラックスして」なんてとても口にできない重圧のなか、エネルギー充填120%で平生の何倍もの力を出して、文字どおり死力を尽して戦う姿に痺れる訳だ。ドメスティックラグビーに安住するつもりなら構わんが、苟も次々回RWC開催国が、観客の目を釘付にするゲームをできなくてどうするのか。
ブレイクダウンでのターンオーバーがTGAの9に対しJPNは0。Jスポ解説の大畑大介が、ボールキャリアが勢いをもって接点に入れないのでダウンボールの質が悪く、サポートプレイヤーのラック参加も遅くなり(寄りの問題だけではないらしい)、劣勢に立つのでミスや反則も増える、みたいなことを言ってました。TGA HCイシトロ・マカは「相手ラックでも“いける”となれば、ターンオーバー狙いで人数をかける作戦だった。ラックで勝負するかどうか、メリハリをつけさせた」(ラグビーマガジン12月号)「日本の速い球出しに対抗するため、すぐ起きてボールに絡む練習を重ねてきた」(9月22日付ニッカン)。モラスは「今週はディフェンスをかなり練習したよ。相手にプレッシャーをかけるようにした。そうすれば相手がミスをしてくれるからね」。元々フィジカルで上回る相手がブレイクダウンに焦点を当てて臨んだとあれば、対処は難しい。すばやいラックの連取をTに繋げるチーム(カーワンも、ラックを四つ以上続けた状況ではJPNが上回ったと分析)が接点で負けてはT機会が減る。しかも得点機でのパスミスやノッコンが多発しては、何をか況や(加えてアレジのプレイスキック……)。
トンプソン曰く「彼等はゲームをスローダウンさせ、彼等のスタイルで戦った。だから勝ったんだ」。では日本のスタイルとは? ゲームプランとしては、自陣からでも球を回してTGAに走勝つ、だったらしいけど、結果は、走勝つどころか自陣22m内で展開して相手の得点に繋がる場面がめだった。しかも、TGAが効果的にリザーブ(=‘fresh legs’)を使ったのに、第2戦で主力の多くを休ませたJPNはリザーブを4人しか出場させなかった。そもそも、ただ球を持って走っていても点には成らない。ジャパンが貫くべき日本スタイルとはなんなのだろう。ゲームを観ていてちっとも判らなかった。
試合直後の菊谷のインタでは、現地のインタビュアーが「オツカレサマデシタ」「ガンバッテクダサイ」と日本語で話しかけた。‘Brave blossoms’は海外で受けが好い。華奢な東洋人が機敏に走回り時々華麗なTを挙げるのを4年に一度観るのは楽しいものだ。でもそれだけでは最長勝ちなし記録は止らない。
谷口が「僕らの自滅です。言い訳はしたくない。でも審判のレフリングはどうだったのだろうか〈ラグビーマガジン12月号では「(倒れたら)一回、タックラーを離さないといけないのに離していない。アピールしても、聞いてくれなかった」〉。それが、悔しい。審判の笛も圧倒するくらい、僕らは強くならないと。W杯で勝つということは、そういうことだと思った」(同)と語るのが、やっぱり言訳と思えちゃうわね。
小野澤は言う。「そんなに簡単に勝てない。これまでも簡単に勝ててこなかったから、今がある。『いつも通りやればきっと勝てる』は、いつも通りではないんです。勝てていないのですから。それに気付かないといけない」(同)。
此日、対ABs戦で左大腿肉離れを発症した平の帰国が発表された。代替選手の招集はなし。